碓井サテライトクリニック
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痔核の急性期
一般的に,痔核は痛みがないのが普通ですが,痛みを来す時があります.それを痔核の急性期といい,『かんとん痔核』と『血栓性外痔核』があります.

1)かんとん痔核
原因:痔核が脱出して,すぐ戻せば良いのでしょうが,時に肛門括約筋がギュット締まってしまい,脱出した痔核がまるで首を絞められたようにうっ血して,腫れて痛みを生じます.脱出した痔核は腫れてますます大きくなるので,戻せなくなります.この状態をかんとん痔核と言います.

症状:通常,痔核で痛くなることはありませんが,この状態ではとても痛くなります.また,痔核は腫れてしまいます.痔核が腫れてしまうので,出血もみられます.それに,痔核が脱出したままになるので下着が汚れてしまい,湿疹を併発することもあります.

治療:この様な急性の状態になった時にすぐに手術という訳にはいきません.先ず,腫れを引かせることが先決です.この状態で手術をすると,出血が止まりにくく,手術が難渋するからです.それに腫れは,薬(のみ薬,軟膏)で良くなります.患者様には,局所を温めること(入浴やホカロンなどを下着の上から当てる)をして頂くことが肝要です.
鑑別診断:肛門癌という事があります.

2)血栓性外痔核
原因:急に肛門に負担をかけるような事(トイレでいきむ,重い物を持つ,ゴルフ,下痢など)によって,急に発症します.腫れの中身は肛門の外側の外痔核の血液が固まったものです.これを血栓といいます.

症状:急に肛門が腫れて,痛みや違和感を感じます.時に血栓を覆っている皮膚が破れ出血することもあります.肛門の中から痔が脱出したと勘違いされる方もいます.

治療:内科的に痛み止め,腫れをひかせる薬,軟膏などで治療する方法や,外科的に切除する方法があります.内科的に治療した場合,固まった血液(血栓)をご自身の体が少しずつ吸収してやがて消失しますが,完全に消失するのに,約1ヶ月を要します.患者様には,局所を温める事(入浴やホカロンなどを下着の上からあてる)をして頂くと早く良くなります.外科的に切除した場合,腫れた血栓を取りますので,それによる痛みはなくなります.ただ,切った痛み(腫れの痛みに比べれば,軽度です)は数日残ります.
腫れたのは外痔核ですから,これを肛門の中に押し込んでも,無駄で痛いだけです.そっとしておいて下さい.

鑑別診断:肛門にもホクロの癌(悪性黒色腫)が出来ることがあります.この病気は,非常に予後の悪い癌です.血栓性外痔核では死ぬことはありませんが,悪性黒色腫では致死率が高いです.この病気は,百聞は一見にしかずで,一度みた事があると診断は可能です.専門医でないと診断が難しい事があります.
同じ,腫れと痛みの症状で肛門周囲膿瘍(痔瘻)があります.
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